
台湾から日本を訪れる人は、いまも増えています。JNTOの推計では、2026年8月の台湾からの訪日外客数は66万6,000人で、8月として過去最高でした。しかも台湾のお客様の多くは、日本に何度も来ている人です。
この記事では、観光庁とJNTOの調査から台湾のお客様の旅の仕方を読み取り、お店が何から整えればよいかをまとめました。初めての観光客に向けた案内を足す前に、何度も来ている人がどうやって店を探しているかを確かめておくと、手をかける場所を絞れます。
いま増えている、台湾からのお客様

JNTOの2026年8月の推計値では、台湾からの訪日外客数は66万6,000人で、前年の同じ月より7.3%増えました。1月から8月までの合計は540万2,000人で、前年の同じ期間より19.8%多くなっています。
JNTOは増えた理由として、続いている訪日旅行の人気を挙げています。夏休みの時期であることや、航空便の座席が増えたことも理由に加えています。同じ8月、中国からの訪日外客数は59.0%減りました。全体の数字が伸び悩むなかで、台湾は伸びている市場のひとつです。国ごとの増減の読み方は、インバウンドが増えていると聞くのに、お店では増えない理由にまとめています。
使っているお金も大きい市場です。観光庁の調査では、2025年に台湾からの旅行者が日本で使ったお金の合計(旅行消費額)は1兆1,958億円で、国・地域別で中国に次ぐ2番目でした。
何度も日本に来て、旅を自分で組み立てる人たち

観光庁の「インバウンド消費動向調査」2025年の年次報告書を見ると、台湾のお客様の特徴がよく分かります。日本に来たのが初めての人は12.1%だけで、2回目以上の人が9割近くを占めています。
| 項目 | 台湾(2025年・一般客) |
|---|---|
| 日本に来た回数 | 1回目 12.1%/2〜5回目 44.8%/6〜9回目 16.7%/10〜19回目 16.5%/20回目以上 9.9% |
| 旅行の手配 | 個別手配 77.5%/団体ツアー 17.8%/個人旅行パッケージ 4.6% |
| 1人当たりの旅行支出 | 18万4,413円(前年より1.7%減) |
| 平均の泊数 | 6.5泊 |
| 支出の内訳 | 買物代 32.6%/宿泊費 31.8%/飲食費 21.8% |
旅行の手配も、航空券や宿泊先を自分で個別に手配する人が77.5%です。団体ツアーは17.8%にとどまります。何度も日本に来ていて、旅を自分で組み立てる人が中心ということです。
JNTOの訪日旅行誘致ハンドブック(2022年)でも、コロナ禍の前には、「まだ知られていない日本」を求めて地方に滞在するリピーターが多かったと紹介されています。こうしたお客様は、ガイドブックに載っている店だけでなく、自分で調べて見つけた店にも足を運びます。お店の情報が見つかるかどうかが、そのまま来店につながります。
Point台湾のお客様の多くは、何度目かの旅行で、行く店を自分で探しています。案内もその人に向けて書きます。
台湾のお客様が、旅の前と旅の途中で見ている情報

同じ調査で、台湾のお客様が出発前に役に立ったと答えた情報源は、動画サイトが45.5%、SNSが42.7%、個人のブログが29.0%の順でした。旅行会社のホームページは16.1%です。旅先のお店は、動画やSNS、ブログで見つけられています。
日本に着いてから役に立った情報では、交通手段が66.3%、飲食店が48.3%でした。旅の途中でも、半分近くの人が飲食店の情報を探しています。その場で見つけてもらう入口として、Googleマップに出るお店の情報も整えておきたいところです。整え方はホームページとGoogleビジネスプロフィール、どちらが先かで書いています。
調査の「SNS」は、Facebook・X・微信などをまとめた選択肢です。SNSごとの割合は出ていません。どのSNSを使うかの考え方は、インバウンドの集客に使うSNSは、来ている国から決めるにまとめています。
台湾のお客様に向けて、お店で整えること
中国語の案内を用意するなら、台湾のお客様向けには繁体字で書きます。JNTOのハンドブックは、台湾では主に繁体字で書く台湾華語が使われていて、簡体字で書く中国大陸の普通話や、香港の広東語とは異なると説明しています。パンフレットの翻訳には台湾の人を起用するよう勧めてもいます。繁体字と簡体字のどちらから用意するかは、繁体字と簡体字の選び方の記事にまとめています。
同じハンドブックには、中国人とひとくくりにされることを好まない人が多いとも書かれています。メニューや店頭の表示では、繁体字の案内であることが分かるようにしておくと安心です。メニューを訳すときの考え方は、インバウンド向けの多言語メニューは、翻訳の前に中身を決めるにまとめています。
飲食店なら、飲み物の出し方も見直す余地があります。ハンドブックによると、台湾では体を冷やす冷たいものより、温かい料理や飲み物が好まれる傾向があり、お冷は氷を入れずに常温か、お湯やお茶で出すのが望ましいとされています。小さな気づかいですが、店内で困らない体験につながります。
物販のあるお店なら、菓子類にも目を向けてください。観光庁の調査では、台湾のお客様の79.0%が菓子類を買っていて、買った品目の1位でした。
自分でできること、外に頼むと早いこと

Googleマップの情報を整えることや、温かいお茶を出すといった店内の工夫は、お店ですぐに始められます。まずは、来ているお客様のうち台湾の方がどれくらいいるかを、予約や決済の記録から数えてみてください。数え方はインバウンドのお客様の国を調べて、対応する言語を決めるで紹介しています。
一方で、繁体字の翻訳や、台湾の方が検索する言葉に合わせたページづくりは、お店の中だけでは確かめにくいところです。ハンドブックが翻訳に台湾の人を勧めているように、言葉の細かな違いに気づけるかどうかで伝わり方が変わります。ここは、外の手を借りたほうが早く進みます。
よくある質問
Q. 台湾のお客様向けに、中国語のページを作る必要はありますか
来ている台湾のお客様の割合で決めます。作る場合は繁体字で用意し、翻訳は台湾の人に確かめてもらいます。割合がまだ小さいうちは、Googleマップのお店の情報を整えるところから始めても構いません。
Q. 中国本土向けの簡体字の案内を、そのまま使ってもいいですか
おすすめしません。JNTOのハンドブックは、台湾で主に使われるのは繁体字で書く台湾華語で、簡体字で書く中国大陸の普通話とは異なると説明しています。台湾のお客様向けには繁体字で用意します。
Q. 台湾のお客様は、どこでお店を知るのですか
観光庁の2025年の調査では、出発前に役に立った情報源は動画サイトが45.5%、SNSが42.7%、個人のブログが29.0%でした。日本に着いてからは、48.3%の人が飲食店の情報が役に立ったと答えています。
Q. 団体ツアーの受け入れを考えたほうがいいですか
同じ調査では、航空券や宿泊先を自分で手配する人が77.5%で、団体ツアーは17.8%でした。まずは、自分で店を探して来てくれる人に見つけてもらう準備から始めるのが近道です。
まとめ
台湾からのお客様は、2026年8月に8月として過去最高になりました。その9割近くが2回目以上の来日で、旅を自分で組み立てています。お店が整えるのは、動画やSNS・地図で見つけてもらう入口と、繁体字の案内です。店内での小さな気づかいも、次の来店につながります。
ご相談で迷われやすいのは、台湾のお客様がどれくらい来ていて、どこまで手をかけるかです。私たちは、お店の記録から来ている国の割合を出したうえで、繁体字の案内をどこまで用意するか、何から整えるかを一緒に決めて進めます。
台湾のお客様の集客のご相談は、インバウンド集客のご相談フォームからお寄せください。支援の内容は、インバウンド集客支援のページにまとめています。
この記事の監修者
出典
- JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年9月30日取得)
- JNTO「訪日外客数(2026年8月推計値)」報道発表資料(2026年9月30日取得)
- 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(2026年9月30日取得)
- JNTO「訪日旅行誘致ハンドブック2022(東アジア4市場編)」台湾(2026年9月30日取得)
- 写真:Studio Stock



