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インバウンドのお客様の国籍を調べるには?予約・決済・免税の記録から割合を出し、対応する言語を決める

インバウンドのお客様の国籍を調べるには?予約・決済・免税の記録から割合を出し、対応する言語を決める

外国語の対応をどの言語から始めるかは、お店に実際に来ている国の割合を出してから決めるのがいちばん確かです。割合は、予約や決済、免税の記録を3か月分、国ごとに数えれば出せます。

ここでは、その記録の集め方と割合の出し方、そして割合に応じてどこまで対応するかの目安を書きます。まだ記録がほとんどない開業したてのお店の場合も、最後に触れています。

印象ではなく、来ている国の割合で決めたい理由

人が行き交う交差点

外国語の対応は、言語を1つ増やすたびに、翻訳の費用だけでなく直す手間も増えます。値上げや営業時間の変更があれば、日本語なら1回で済んだ修正を、言語の数だけやることになります。

「中国の方が多い気がする」「最近は欧米の方をよく見る」という印象は、意外とあてになりません。記憶に残るのは、会話が弾んだお客様や困ったことがあったお客様で、人数の多さとは関係がないからです。国ごとの人数は、お店にすでにある記録から数えられます。

Pointどの言語に、どこまで対応するかは、お店に実際に来ている国の割合で決めます。

来ている国を知る手がかりになる記録

手がかりは、Googleビジネスプロフィール、ホームページのアクセス解析、それに予約・決済・免税の記録です。それぞれ見えている段階が違うので、1つだけで判断せず、重ねて見ます。

Googleビジネスプロフィール、GA4、予約・決済・免税の記録の3つで、それぞれ何が分かるかを並べた図
図1 3つの記録で分かること。来店した人の国の割合は、予約・決済・免税の記録で数える
記録分かること分からないこと
Googleビジネスプロフィールお店を探すのに使われた言葉、ルートを調べた人の数探した人の国
GA4(アクセス解析)サイトを見た人の国と、端末の言語設定実際に来店したかどうか
予約・決済・免税の記録実際に来た人の国探したのに来なかった人のこと

Googleビジネスプロフィールで見る、検索に使われた言葉

管理画面の「パフォーマンス」に、お店を探すのに使われた検索語句が月ごとに出ます。「ramen asakusa」のような英語表記や、中国語・韓国語の語句が並んでいれば、その言語で探されているということです。ただ、パフォーマンスの数字は国や言語ごとには分かれていないので、ここで取れるのは「どの言語で探されているか」の目安までです。

GA4で見る、サイトを見た人の国と言語設定

ホームページにGA4を入れているなら、「ユーザー属性の詳細」のレポートで国と言語を切り替えて見られます。国はアクセス元のIPアドレスから推定したもので、言語は端末の言語設定です。国が日本で言語が英語や中国語になっているアクセスには、いま日本を旅行中の方が多く含まれます。日本に住んでいる外国の方も入るので、あくまで目安です。国が海外のアクセスは、旅行の前に下調べをしている人のものと考えてよいでしょう。

予約・決済・免税の記録で数える、実際に来た人の国

割合を出すのに使うのは、この記録です。予約サイト経由の予約なら、予約者の国や電話番号の国番号が管理画面に出ていないか見てみてください。免税販売をしているお店なら、手続きのときに記録するパスポートの情報に国籍が含まれます。クレジットカードの発行国を見られる決済サービスもあるので、契約している会社の管理画面を一度確かめておくと安心です。

3か月分の記録から出す、国ごとの割合

グラフの資料を広げてパソコンで作業する様子

予約・決済・免税の記録を3か月分集め、国ごとの件数を全体の件数で割ります。表計算ソフトに「日付・国・件数」の列を作れば十分です。国が分からない記録は「不明」として別に数え、割合の計算には入れません。

国・地域(例)3か月の件数割合
台湾42件35%
韓国30件25%
アメリカ18件15%
香港12件10%
その他の国・地域18件15%
合計(国が分かったもの)120件100%

表の数字は、数え方を示すための例です。

実際に数えるときは、件数が少ないうちに結論を出さないようにしてください。1か月に数件では、翌月にはまったく違う割合になります。3か月分、できれば1年分をまとめて見ます。

旅行の時期も国によって違います。旧正月や夏休み、年末年始など、旅行が増える時期は国ごとにずれます。特定の月だけで数えると、その国の割合が高く出てしまいます。

もう1つ、検索語句やアクセス解析の数字は、ここでは足さないでください。探された数と来た数は別物です。探されているのに来店が少ない国があれば、言葉以外のところで選ばれていない可能性があります。

割合を見て、どの言語にどこまで対応するか

割合が出たら、国ではなく言語でまとめ直します。同じ言語で読める国は足してください。台湾と香港は繁体字、中国本土は簡体字、アメリカとオーストラリアはどちらも英語、という具合です。

来店に占める割合が10%未満、10〜30%、30%以上の3段階で、対応の深さを分ける図
図2 言語ごとの割合による対応の目安
言語ごとの割合対応の深さ具体的にやること
10%未満英語でまかなうその言語専用のものは作らず、英語の情報で案内する
10〜30%地図と口コミまでGoogleビジネスプロフィールの説明文を用意し、その言語の口コミに返信する
30%以上メニューとサイトまで地図と口コミに加えて、メニューとホームページもその言語で用意する

この目安は、私たちが支援の中で使っているもので、決まった基準があるわけではありません。ただ、割合の低い言語まで全部そろえようとすると、たいてい更新が追いつかず、古い情報が残ります。メニューの作り方は多言語メニューの記事で詳しく書きました。1つの国が50%を超えるほど偏っているなら、一国頼みの集客を見直す記事もあわせて読んでみてください。

記録がまだないお店の調べ方

資料を見ながらノートパソコンで作業する手元

開業したばかりで記録が少ないなら、地域の統計と近くのお店の口コミで見当をつけます。観光庁の「宿泊旅行統計調査」には、都道府県ごとに外国人の延べ宿泊者数を国籍別に集計した表があります。2025年の確定値では参考第1表がそれで、従業者が10人以上の宿泊施設を集計しています。ご自身の都道府県の行を見れば、その地域に泊まっている人の国の順位が分かります。

ただ、都道府県の統計は範囲が広すぎます。近くの同じ業種のお店で、Googleマップの口コミが何語で書かれているかも数えてみてください。そのあたりを歩いている人の国が、おおよそ見えてきます。見当がついたら、まずは英語だけで始め、3か月分の記録がたまってから言語を足していきます。

やらなくていいこと

カフェの店先に置かれた看板

最初から多くの言語をそろえる必要はありません。来ていない国の言語は、作っても読まれず、直す手間だけが残ります。

毎月の割合に合わせて対応を変えるのも、やりすぎです。月ごとの増減は旅行の時期で動くので、見直しは3か月に1回、1年分がそろったら年に1回で足ります。

国を聞くためだけのアンケートも要りません。予約や決済の記録で数えられるなら、お客様に手間をかけることはないからです。

よくある質問

Q. 英語だけ対応すれば十分ですか

記録がない段階では、英語だけで始めて構いません。3か月分の記録で割合を出し、10%以上になった言語から地図の店舗情報と口コミ返信を足していきます。

Q. Googleビジネスプロフィールで、来ている国は分かりますか

国ごとの数字は出ません。パフォーマンスで見られるのは、お店を探すのに使われた検索語句やルートを調べた人の数などです。語句の言語から、どの言語で探されているかの目安をつけるところまでに使います。

Q. 予約サイトを使っていないお店は、どう数えればいいですか

決済や免税の記録を使います。どちらもない場合は、1か月だけ、レジ横のメモに分かる範囲で国を書き留めて数える方法があります。地域の宿泊統計と近くのお店の口コミで見当をつけながら、記録をためていきます。

Q. 割合はどのくらいの頻度で見直せばいいですか

3か月に1回が目安です。毎月見ると、旅行の時期による増減に振り回されます。1年分がそろったら、年に1回まとめて見直してください。

まとめ

どの言語に、どこまで対応するかは、お店に実際に来ている国の割合で決めます。予約・決済・免税の記録を3か月分数えて言語ごとにまとめ、30%以上の言語はメニューとサイトまで、10〜30%は地図と口コミまで、と深さを分けてください。

ご相談を受けていてよく止まるのは、割合を出したあとです。検索ではよく探されているのに、来店はほとんどない国が出てくることがあります。原因が言葉なのか、値段や立地、ほかのお店との比べられ方なのかは、記録を並べても自分ではなかなか見分けられません。どの言語にどこまでお金と手間をかけるかを、記録を一緒に読みながら決めるのが、私たちのお手伝いできるところです。数えてみたら英語だけで十分だった、ということもよくあります。

記録の集め方から相談したい場合は、無料診断をご利用ください。外国語の地図情報やメニュー、ホームページをまとめて整える支援はインバウンド集客支援で紹介しています。

この記事の監修者

瀬川将也

瀬川将也(合同会社ライトハウス 代表)

マーケティング歴10年。マーケティングと制作を手がける会社を含む2社で役員を務め、現在は観光系NPO法人の理事も務めています。上場企業の売上につながるお問い合わせ獲得をゴールとした広告運用・SEO、新規事業の商品の販売戦略構築、飲食店フランチャイズの出店拡大など、大きめの会社から小さなお店まで幅広く支援してきました。

出典

  1. Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールのパフォーマンスとインサイトを確認する」(2026年9月27日取得)
  2. アナリティクス ヘルプ「[GA4] ユーザー属性の詳細レポート」(2026年9月27日取得)
  3. アナリティクス ヘルプ「[GA4] 事前定義されたユーザー ディメンション」(2026年9月27日取得)
  4. 国税庁「輸出物品販売場制度に関するQ&A 3 購入記録情報の提供」(2026年9月27日取得)
  5. 観光庁「宿泊旅行統計調査」2025年(令和7年)1月〜12月分(年の確定値)集計結果 参考第1表(2026年9月27日取得)
  6. 写真:Studio Stock
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