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繁体字と簡体字の違いは?中国語ページをどちらから用意するかと、変換ツールだけで済ませない理由

繁体字と簡体字の違いは?中国語ページをどちらから用意するかと、変換ツールだけで済ませない理由

中国語のページを作るときは、繁体字と簡体字のどちらから用意するかを、お店に来ているお客様の国で決めます。台湾や香港からのお客様が多ければ繁体字、中国大陸からのお客様が多ければ簡体字が先です。

どちらか一方を作って、もう一方は変換ツールで済ませたくなるかもしれません。けれども、同じ中国語でも地域によって使う文字も言葉も違います。この記事では、どちらを先に用意するかの決め方と、訳すときに気をつけることを、観光庁の資料と Google の案内をもとにまとめました。

繁体字と簡体字を使う地域

雨に濡れた夜の街に、色とりどりのネオンの看板が並ぶ様子

中国語には、繁体字と簡体字という2種類の文字があり、使う地域が分かれています。観光庁が2026年3月に出した中国語の解説文づくりのマニュアルでは、次のように整理されています。

文字主に使う地域
簡体字中国大陸、マレーシア、シンガポールなど
繁体字香港、マカオ、台湾など

同じマニュアルには、中国語を話す人でも、日常で使わないほうの文字は読めないことが多いとも書かれています。中国語のページがあっても、文字が合っていなければ、読んでもらえないことがあるということです。

さらに、同じ繁体字でも、香港と台湾では用語や表現が少し違います。香港やマカオは広東語、台湾は台湾華語が使われているためです。マニュアルでは、どの地域のお客様に向けるかを決めてから、整える繁体字を選ぶよう勧めています。

どちらを先に用意するかの決め方

先に用意するのは、お店に来ているお客様が多いほうの文字です。全国の数字で見ると、2026年1〜8月の訪日外客数(JNTOの推計値)は次のとおりでした。

国・地域2026年1〜8月前年同期比主に使う文字
台湾540万2,000人19.8%増繁体字
中国290万4,600人56.7%減簡体字
香港181万8,300人8.7%増繁体字

台湾と香港を合わせると、約722万人で、中国のおよそ2.5倍です。全国で見れば、いまは繁体字を読むお客様のほうが多い計算になります。ただし、これは日本全体の数字で、お店に来ているお客様の割合とは限りません。

来ている国を数える、多いほうの文字から用意する、繁体字は台湾向けか香港向けかを決める、予約に近いページから訳す、の4段階を順に並べた図
図1 中国語のページを用意する順番の決め方

お店での割合は、予約や決済、免税の記録から数えられます。数え方はお店に来ている国の調べ方の記事にまとめました。台湾や香港のお客様が多ければ繁体字から、中国大陸のお客様が多ければ簡体字から用意します。繁体字にするなら、台湾向けと香港向けのどちらに合わせるかも、このとき決めておきます。

変換ツールだけで済ませないほうがいい理由

紙の上に墨をつけた筆が置かれ、墨がにじんでいる様子

簡体字のページを作ったあと、変換ツールで繁体字にすれば手間は省けます。ただ、文字の形を置き換えるだけでは、地域ごとの言葉の違いまでは直りません。

観光庁の解説文づくりの事業でも、簡体字の原稿を台湾繁体字に変換したあと、翻訳者が用語と表現を調整し、訳文を確かめる手順を踏んでいます。そのあとに、校閲者による確認も入ります。国の事業でも、変換しただけでは出していないということです。

お店のページでも、変換した文章は下書きとして使い、その文字を日常で読んでいる人に一度読んでもらってから公開するのが確実です。料理名や料金の書き方は、読み違えると注文や会計でのトラブルにつながります。

最初に訳すページと、ページの分け方

赤い提灯が灯る中華料理店の、料理が並んだ円卓

訳すのは、予約や来店に近いページからです。メニューと料金、アクセスと営業時間、予約の案内があれば、初めてのお客様も迷わずに来られます。どのページを用意するかはインバウンド向けのホームページに載せることの記事で書いています。

繁体字と簡体字の両方を用意する場合は、文字ごとに別のURLにします。Google の案内では、hreflang という指定で言語ごとのページを知らせる方法が紹介されています。台湾のユーザー向けに zh-TW と指定すると、文字は自動的に繁体字として扱われます。文字を明示したいときは、繁体字を zh-Hant、簡体字を zh-Hans と書くこともできます。

指定は、それぞれのページに、自分のページも含めてすべての言語版を並べて書きます。URLの分け方や言語の指定を自分で確かめる手順は、英語ページが検索に出てこない理由の記事にまとめました。

Point中国語は、来ているお客様が読む文字から用意し、変換で済ませずに読める人に確かめてもらう。

自分で進めるか、頼むかの目安

石畳の路地の壁に灯る、赤い提灯

来ている国を数えて、どちらの文字から用意するかを決めるところまでは、お店の記録があれば自分で進められます。

難しくなるのは、訳したあとの確認です。その文字を日常で読む人がお店や身近にいなければ、訳文が自然かどうかを確かめられません。台湾向けか香港向けかで言い方を合わせる場合も、同じです。両方の文字でページを分け、言語の指定まで整える段階になったら、外の手を借りたほうが早く、間違いも減らせます。

よくある質問

Q. 香港のお客様にも、台湾向けの繁体字で大丈夫ですか

読めないことはありませんが、香港と台湾では用語や表現が少し違います。香港からのお客様のほうが多いなら、香港で使われる言い方になっているかを、香港の方に確かめてもらうと安心です。

Q. 繁体字と簡体字は、両方用意しないといけませんか

最初から両方を用意する必要はありません。お店に来ているお客様が多いほうの文字から始め、もう一方のお客様が増えてきたら用意します。

Q. 中国語のページの言語は、どう指定すればいいですか

文字ごとに別のURLにして、hreflang で知らせます。台湾向けなら zh-TW、文字を明示するなら繁体字は zh-Hant、簡体字は zh-Hans と書けます。それぞれのページに、自分のページも含めたすべての言語版を並べて書きます。

まとめ

繁体字と簡体字は、使う地域が分かれています。お店に来ているお客様が多いほうの文字から用意し、変換ツールで済ませずに、その文字を読む人に確かめてもらうのが近道です。

実際にご相談を受けていると、迷うのはどちらの文字にするかより、台湾向けと香港向けのどちらに合わせるか、そして訳した文章を誰に確かめてもらうかのほうです。お店の記録から来ている国の割合を出し、どのページをどの文字から用意するかを一緒に決められます。割合によっては、いまは中国語より先に整えたほうがいいページが見つかることもあります。

中国語のページの用意から相談したいときは、インバウンド集客のご相談からお声がけください。言語ごとのページの作り方は、インバウンドSEO・多言語SEOのページにまとめています。

この記事の監修者

瀬川将也

瀬川将也(合同会社ライトハウス 代表)

マーケティング歴10年。マーケティングと制作を手がける会社を含む2社で役員を務め、現在は観光系NPO法人の理事も務めています。上場企業の売上につながるお問い合わせ獲得をゴールとした広告運用・SEO、新規事業の商品の販売戦略構築、飲食店フランチャイズの出店拡大など、大きめの会社から小さなお店まで幅広く支援してきました。

出典

  1. 観光庁「地域観光資源の中国語解説文作成のためのライティング・スタイルマニュアル(追補版)」2026年3月(p.7「簡体字と繁体字」、p.12「中国語への翻訳」。2026年9月30日取得)
  2. 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」報道発表資料(2026年9月16日公表。2026年は推計値。2026年9月30日取得)
  3. Google 検索セントラル「ページのローカライズ版について Google に知らせる」(2026年9月30日取得)
  4. 写真:Studio Stock
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