
インバウンド向けのホームページを作るとき、最初に決めるのは「何語に訳すか」より「何を載せるか」です。インバウンドの方々が予約の前に確かめたいことが載っていなければ、何語に訳しても予約にはつながりにくいからです。
この記事では、飲食店や美容室、宿泊施設などの小さなお店が、インバウンド向けのホームページに載せる中身と、作る順番をまとめました。言語ごとのページの作り方は、Google 検索セントラルの案内に沿って書いています。
日本語のページを訳すだけでは、予約につながりにくい理由

いまの日本語のホームページは、多くの場合、近くに住む人や常連のお客様を思い浮かべて作られています。お店の場所はだいたい分かっていて、予約は電話でできて、支払いもいつもどおりです。そうした前提は、ページに書かれていません。
インバウンドの方々は、その前提を持っていません。初めての街でいくつかのお店を比べながら、出発の前に確かめます。行き方や予約の方法、支払いの手段、食べられないものへの対応などです。日本語のページをそのまま訳すと、この確かめたいことが抜けたまま外国語になります。
訳す作業は、ホームページづくりの最後の工程です。その前に、旅行者の目線で中身を組み直すことが要ります。
インバウンドの方々が、予約の前に確かめたいこと

旅行者がお店を選ぶときに確かめることは、業種が違ってもおおむね共通しています。予約の前に不安が残る項目から順に、はっきり書いておくのが基本です。
| 確かめたいこと | ページに書いておくこと |
|---|---|
| 何のお店か | 料理やサービスの中身を1文で。写真を添える |
| いくらかかるか | 税込みの総額の目安。追加料金がかかる条件 |
| どう予約するか | 外国語で予約できるか、予約の方法、キャンセルの決まり |
| どう行くか | 最寄り駅からの行き方、地図、目印になるもの |
| いつ開いているか | 営業時間、定休日、混みやすい時間 |
| どう払うか | 使えるクレジットカードや決済の方法 |
| 自分に合うか | 対応できる言語、食べられないものへの対応、できないこと |
とくに差がつくのは、最後の「できること・できないこと」です。書いてあれば、お客様は納得したうえで予約できます。来店してからの食い違いも防げます。AI検索に拾われやすい書き方も同じ考え方で、詳しくはAI検索にお店を紹介してもらう記事にまとめています。
最初に用意するページ
インバウンド向けのページは、日本語のサイトと同じ数だけ作る必要はありません。まずは、予約の前に確かめたいことが足りる4ページから始めます。
お店の歴史やスタッフの紹介は、日本語のサイトでは大事なページです。ただ、予約を決める前の旅行者にとっては、あとから読むものになりがちです。まずは予約に直結する4ページを整え、反応を見ながら足していきます。メニューの訳し方は多言語メニューの記事に書きました。
作る順番と、Googleが案内している作り方
作る順番は、中身を日本語で決めてから訳し、言語ごとのページで公開する流れです。
公開のしかたについて、Googleは「多地域、多言語サイトの管理」の中で、ページの各言語のバージョンに異なるURLを使うことを勧めています。Cookie やブラウザの設定で表示の言語を切り替える方法は勧めていません。
あわせて、利用者の言語を推測して、ほかの言語のページへ自動で振り分けることは避けるよう案内しています。代わりに、ほかの言語のページへのリンクを置き、選べるようにします。1つのページの中で原文と訳文を並べて表示することも、避けるようにとされています。言語ごとにページを分け、利用者が自分で選べる形にしておくのが、Googleの案内に沿った作り方です。
ページを分けたあとの確かめ方は、英語ページが検索に出てこないときの記事で詳しく書いています。
Point訳す前に、旅行者が予約の前に確かめたいことを日本語で決めておく。
制作会社に頼む前に、お店で決めておくこと

インバウンド向けのホームページ制作を頼むときは、制作会社に任せる前に、お店の側で決めておきたいことがあります。ここが決まっていないと、見積もりも完成したページも、お店の実情とずれやすくなります。
まず、どの言語に対応するかです。これは、実際に来ている国の割合で決めます。調べ方は来ている国の調べ方の記事にまとめました。次に、予約をどこで受けるか。ホームページで直接受けるのか、予約サイトに案内するのかで、作るページが変わります。考え方は予約サイトと直接予約の記事に書いています。
もう1つは、公開したあと、誰が更新するかです。営業時間や料金が変わったときに外国語のページだけ古いまま残ると、日本語とほかの言語で情報が食い違う状態になります。更新する人と、どこまで更新するかを先に決めておきます。
最初はやらなくていいこと

多言語のページを最初から何か国語も用意する必要はありません。来ている国の割合が分かるまでは、英語から始めれば足ります。言語を増やすのは、実際の問い合わせや予約の記録がたまってからで間に合います。
凝った演出や動きの多いデザインも、最初は後回しにできます。旅行者がスマートフォンで確かめたいのは、料金や行き方、予約の方法です。見た目を整えるより、確かめたいことがすぐ見つかることを優先します。
翻訳の機能で日本語のページを一度に外国語へ切り替えるだけで済ませるのも、避けたいところです。訳文がそのまま公開されると、料金や条件が正しく伝わっているかを誰も確かめていない状態になります。公開の前に、その言語が分かる人に一度読んでもらいます。
よくある質問
Q. 英語のページだけで足りますか
最初は英語から始めて構いません。そのうえで、実際に来ている国の割合を見て、ほかの言語を足すかどうかを決めます。
Q. 日本語のサイトとは別に、新しく作る必要がありますか
新しいサイトを別に立てる必要はありません。今のサイトの中に、言語ごとのページを分けて用意すれば足ります。Googleは、ページの各言語のバージョンに異なるURLを使うことを勧めています。
Q. 予約サイトに載っていれば、ホームページはいりませんか
予約サイトは見つけてもらう入口になります。一方で、料金の考え方やできないこと、行き方などを詳しく確かめる場所として、お店のページがあると安心して予約してもらえます。
どちらを先に整えるかは、Googleビジネスプロフィールとホームページの記事で書いています。
Q. 翻訳は自動翻訳でも大丈夫ですか
下書きに使うのは構いません。ただ、公開の前に、料金や条件が正しく伝わるかを、その言語が分かる人に確かめてもらうと安心です。
まとめ
インバウンド向けのホームページは、何語に訳すかより先に、旅行者が予約の前に確かめたいことを載せるところから始めます。ページはまず4つで足り、言語ごとにページを分けて、利用者が自分で選べる形にしておきます。
ご相談で迷われることが多いのは、どこまで作り込むかです。ページも言語も、増やそうと思えばいくらでも増やせます。私たちは、来ている国や予約の受け方を伺いながら、最初に用意するページと言語を一緒に決めて、そこから作り始めます。いまのサイトで足りていれば、作り直さずに直せるところからお伝えします。
いまのホームページに何が足りていないかは、無料診断で一緒に確かめられます。インバウンド向けのホームページ制作とSEOについては、インバウンドSEO・多言語SEOのページにまとめています。
この記事の監修者
出典
- Google 検索セントラル「多地域、多言語サイトの管理」(2026年9月30日取得)
- 写真:Studio Stock



