
飲食店のインバウンド集客は、進める順番を決めておくと迷いません。来ている国を確かめる → 見つけてもらう入口を整える → 店内で困らないようにする → 予約と費用を決める、の順です。多言語メニューもSNSもグルメサイトも大事ですが、順番を間違えると、手間とお金をかけたのに客が増えないということが起きます。
インバウンド対策として挙げられる項目は多く、どれから手をつけるかで止まってしまうお店は少なくありません。この記事では、飲食店がどの順番で進めればよいかと、それぞれの段階で何を決めるかをまとめました。段階ごとの詳しいやり方は、関連する記事で書いています。
順番を先に決めたほうがいい理由
インバウンドの方々の顔ぶれは、同じ月の中でも国によって大きく動きます。日本政府観光局(JNTO)の推計では、2026年8月の訪日外客数は309万8,900人で前年同月比9.6%減でした。一方で、韓国やマレーシアなど14市場は8月として過去最高を記録しています。全体の数字だけを見ても、自分のお店に誰が来るのかは分かりません。
来ている国が分からないまま多言語メニューを作ると、使われない言語に費用をかけることになります。見つけてもらう入口が整っていないうちにSNSを始めても、投稿を見た人がお店の情報にたどり着けません。前の段階が決まらないと、次の段階で何をするかも決まらないのです。
Pointインバウンド集客は、何をやるかより先に、どの順番でやるかを決める。
最初に確かめる、来ている国と場面

最初の段階でするのは、いまどの国の方が、どんな場面で来ているのかを確かめることです。予約の記録や会計の記録、Googleマップの口コミの言語を3か月分ほど見れば、おおよその割合が分かります。
あわせて、どんな場面で来ているのかも見ておきます。ランチに一人で来るのか、夜に家族で来るのか。事前に予約してくるのか、通りがかりで入ってくるのか。場面が分かると、次の段階で整える場所が決まります。調べ方と、割合に応じた言語の決め方は、インバウンドのお客様の国を調べる記事にまとめています。
見つけてもらう入口の整え方

次に整えるのは、旅行者がお店を探すときに見る場所です。多くの場合、それはGoogleマップの店舗情報と、お店のホームページです。営業時間や料金、場所、対応できる言語を、どちらにも同じ内容で書いておくことが出発点になります。
情報が食い違っていると、旅行者は不安になって別のお店を選びます。どちらから直すかの目安はGoogleビジネスプロフィールとホームページの記事に、AI検索で紹介されるための書き方はAI検索の記事に書きました。SNSやグルメサイトは、この入口が整ってから広げていけば、投稿や掲載から来た人の行き先ができます。
店内で困らないための準備

見つけてもらえるようになったら、来店したあとにつまずく所をなくします。メニューが読めない。何の料理か分からない。食べられない材料が入っているか分からない。支払いの方法が合わない。来店したあとに困ったことは、そのまま口コミに書かれます。
多言語メニューは、料理名を訳す前に、1品ごとに「何の料理か」と「食べられるかどうか」を決めておくと作りやすくなります。作り方は多言語メニューの記事にまとめました。言語は、最初の段階で確かめた国に合わせて選びます。
予約の受け方と、かける費用

最後に決めるのは、予約をどこで受けるかと、どこにお金をかけるかです。予約サイトは、お店を知らない人に見つけてもらえる一方で、手数料がかかります。初めての方は予約サイトから、すでにお店を知っている方は直接予約へ、と使い分ける考え方は、予約サイトの手数料の記事に書きました。
多言語化や決済の機器にまとまった費用がかかる場合は、補助金が使えることもあります。東京都内の飲食店向けの補助金は、東京のインバウンド補助金の記事で整理しています。補助金は交付決定の前に発注したものが対象にならないので、使うなら順番を先に確かめておきます。
最初はやらなくていいこと

はじめから全部をそろえる必要はありません。来ている国が分からないうちに、たくさんの言語へ対応することは後回しで構いません。まずは来ている国の言語と英語から始めて、記録がたまってから広げます。
グルメサイトや予約サイトに、一度にいくつも登録することも急がなくて大丈夫です。登録先が増えるほど、情報の更新と予約の管理が重くなります。SNSも、入口となる店舗情報が整う前に投稿の数だけ増やしても、来店にはつながりにくいものです。やらないことを決めておくと、目の前の一歩に手間をかけられます。
よくある質問
Q. 英語だけ対応すれば十分ですか
来ている国によります。予約や会計の記録から国ごとの割合を出し、多い国の言語から対応します。割合が分からないうちは、英語から始めるのが無難です。
Q. SNSはいつ始めればいいですか
Googleマップの店舗情報とホームページの内容がそろってからが目安です。投稿を見た人がお店を調べたときに、営業時間や場所、料金がすぐ分かる状態にしておくと、来店につながりやすくなります。
Q. 全部を一度に進めてはいけませんか
進められる余力があれば構いません。ただ、来ている国が分からないまま進めると、使われない言語や媒体に費用をかけることになりがちです。最初の段階だけは先に済ませておくのがおすすめです。
まとめ
飲食店のインバウンド集客は、来ている国を確かめる → 入口を整える → 店内で困らないようにする → 予約と費用を決める、の順に進めると、手間とお金を無駄にしにくくなります。
ご相談でよく迷われるのは、何から手をつけるかよりも、いまのお店がどの段階にいるのかという見極めです。メニューを作り直すべきなのか、それとも入口の情報をそろえるのが先なのか。お店の記録を一緒に見ながら、最初の一歩を決めるところまでお手伝いします。いまはまだ手をつけなくてよい、という結論になることもあります。
お店の状況を整理したいときは、無料診断からご相談ください。飲食店向けの支援は飲食店のインバウンド集客のページにまとめています。
この記事の監修者
出典
- 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2026年8月推計値)」(2026年9月30日取得)
- 写真:Studio Stock



