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フランス人観光客は日本のお店をどう選ぶ?ガイドブック・口コミサイトと、フランス語か英語か

フランス人観光客は日本のお店をどう選ぶ?ガイドブック・口コミサイトと、フランス語か英語か

フランスからのインバウンドの方々は、SNSに加えて旅行ガイドブックと口コミサイトで日本のお店を探します。観光庁の2025年の調査では、出発前に役に立った情報源に旅行ガイドブックを挙げた人が24.9%、口コミサイトが23.3%で、全国籍・地域の2倍以上でした。

ところが日本のお店の多くは、そこで見つかったときに何を読まれているかを意識していません。予約の仕方や支払い方法が分からず、外国の方を受け入れてくれるお店なのかさえ伝わっていないことがよくあります。この記事では、フランスの方がお店を知ってから予約するまでに見ているものを追い、飲食店と美容室が書いておくことをまとめました。

フランスからのお客様は、どんな旅をしているか

日の差す和室の卓に、湯気の立つ鍋料理と小鉢が並ぶ様子

観光庁の「インバウンド消費動向調査」2025年の年次報告書によると、フランスから来た方(一般客)は1回目の訪日が66.1%、旅行の手配は92.5%が個別手配でした。平均の泊数は18.4泊で、飲食費は1人あたり7万3,941円です。

3人に2人が初めての日本で、ほとんどの人が自分で段取りを組んでいます。どのお店に入るかは、本人が自分で調べて決めています。滞在が長いので、同じ旅行の中で何度もお店を選びます。欧米やオーストラリアの方々に共通する特徴は、欧米やオーストラリアの観光客の記事にまとめました。

出発前に見ているのは、SNSとガイドブックと口コミサイト

出発前に役に立った旅行情報源をフランスと全国籍・地域で比べた棒グラフ。旅行ガイドブックと口コミサイトは、フランスが全体の2倍以上
図1 出発前に役に立った旅行情報源(2025年、フランスと全国籍・地域)

図1のとおり、SNSと動画サイトは全体とほぼ同じ割合です。一方で旅行ガイドブック、日本政府観光局のホームページ、口コミサイトは、全体の2倍以上になっています。

フランス語のガイドブックには「Guide du Routard(ルタール)」や、Lonely Planetのフランス語版「Japon」があります。日本政府観光局(JNTO)は2024年10〜11月にRoutardのウェブサイトで訪日キャンペーンを行い、「Forum Japon」のページで利用者の質問にフランス語で答えました。質問の多くは、すでに決まった旅程や交通手段についてだったそうです。行き先を決めたあとも、フランス語の情報で段取りを確かめていることが分かります。

ガイドブックに載るかどうかは、お店では決められません。けれども、名前を知った人が次に開く口コミサイトや地図に、お店の情報がそろっているかは、お店で整えられます。調査の選択肢にも名前が挙がるトリップアドバイザーは、お店の掲載ページをオーナーが無料で登録(クレーム)でき、写真やメニューを載せて口コミに返信できます。

フランスで使っている予約サービスと、日本のお店との違い

午後の光が差す店内で、二人掛けの席が客を待っている様子

フランスには、レストランの予約アプリ「TheFork(旧LaFourchette)」があります。アプリストアの説明によると、使えるのはフランスやスペイン、英国など欧州の国々とオーストラリアで、2026年10月1日時点で日本は入っていません。美容室では「Planity」が、24時間ネットで予約できることを打ち出しています。

フランスの方は、ネットで予約するのに慣れています。けれどもふだん使っている予約の仕組みは、日本のお店には使えません。予約が電話だけだと、日本語で電話をかけることになります。英語で送れる予約フォームを用意し、口コミサイトからも地図からもたどれるようにしておくと、予約の手前で離れる人が減ります。Googleマップとホームページのどちらから整えるかはこちらの記事に書きました。

美容室やサロンも同じです。観光庁の2025年の集計表では、フランスの方が「温泉・温浴施設・エステ・リラクゼーション」にお金を使った割合は10.3%で、全体の4.4%の2倍を超えます(回答数が少ないので目安です)。施術の内容と所要時間、総額が分かり、ネットで申し込めることが前提になります。詳しくは美容室やサロンのインバウンド需要の記事をご覧ください。

フランス語で書くか、英語で書くのか

木のテーブルに重ねて置かれた冊子

JNTOの訪日旅行誘致ハンドブック(2024年、欧州6市場編)によると、フランスの方にはフランス語でのサービスを求める傾向があります。同じハンドブックは、フランス語で案内できない場合でも、「英語での対応(文書)でも良いか」と尋ねるだけで印象は変わるとしています。

小さなお店がすべてをフランス語で用意するのは負担が大きいでしょう。情報の土台は英語でそろえ、予約フォームやあいさつにフランス語の一言を添えるくらいが続けやすい形です。どこまで用意するかは、実際に来ている割合で決めます。調べ方はお客様の国を調べる記事にまとめています。

受け入れてくれるお店だと、来る前に伝わっているか

テラス席の前に立つ、何も書かれていない案内板

フランスの方がお店を比べるときに見ているのは、自分がそのお店で困らずに過ごせるかどうかです。JNTOのハンドブックは、ベジタリアンなどに対応したレストランの情報が足りず、事前に検索できないことを不満として挙げています。Routardのウェブサイトも、小さなラーメン店の多くは入口の機械で支払い、現金(1,000円札)が要ることが多いという旅行者の声を紹介しています。

そこで、口コミサイトや地図、ホームページには、次のことを英語で書いておきます。

  • 予約ができるか、その方法
  • 支払い方法(現金だけか、カードが使えるか)
  • 英語やフランス語で対応できる範囲
  • 肉や魚を使っていない料理があるか
  • 美容室なら、施術ごとの所要時間と総額

「外国の方も歓迎します」と一言書くより、受け入れの条件そのものを見せるほうが、初めて日本に来た人は安心できます。

Pointフランスの方に選ばれるかは、見つけた場所で予約と支払いと言葉の条件が読めるかで決まる。

伝わっているかの確かめ方と、外に頼むと早いこと

確かめる順番

口コミサイトで店名を検索→Googleマップを英語表示で開く→英語のページから予約の手前まで進む

途中で日本語しか出てこなくなったところで、フランスの方は離れていく

伝わっているかどうかは、フランスの方と同じ順番でお店を探してみると分かります。トリップアドバイザーで店名を検索し、Googleマップを英語表示で開き、ホームページの英語のページから予約の手前まで進んでみます。来店したフランスの方に、何でお店を知ったかを聞くのも確かな方法です。

口コミサイトの登録や写真の差し替えは、お店で進められます。フランス語の一文や英語の予約フォームが自然に読めるかの確認と、どこから整えるかの判断は、外に頼むほうが早い部分です。イギリスの方との違いはイギリスの人の予約媒体の記事で比べられます。

よくある質問

Q. フランス語のメニューがないと、フランスの方は来てくれませんか

英語のメニューがあれば来ていただけます。JNTOのハンドブックは、「英語での対応(文書)でも良いか」と尋ねるだけで印象が変わるとしています。

Q. TheForkに日本のお店を載せることはできますか

2026年10月1日時点で、TheForkのアプリストアの説明にある国の一覧に日本は入っていません。口コミサイトやGoogleマップ、ホームページから予約できるようにしておきます。

Q. トリップアドバイザーに載せるのに費用はかかりますか

お店の掲載ページの登録(クレーム)は無料です。写真やメニューを載せ、口コミに返信できます。

まとめ

フランスの方は、ガイドブックと口コミサイトでお店を知り、自分で段取りを組んで旅をしています。見つけてもらった場所で、予約と支払いと言葉の条件が読めるようにしておくことが、選ばれるかどうかを分けます。

ご相談で迷われることが多いのは、フランス語をどこまで用意するかです。私たちは、来ているお客様の国の割合と今の掲載先を一緒に見て、フランス語の一言を置く場所と、先に整える場所を決めます。フランスの方がまだ少ないお店なら、英語の情報をそろえるだけで十分とお伝えすることもあります。

フランスや欧米からのお客様の集客で迷ったときは、インバウンド集客のご相談からご連絡ください。支援の内容はインバウンド集客支援のページに、今の状況を整理したいときは無料診断もご利用いただけます。

この記事の監修者

瀬川将也

瀬川将也(合同会社ライトハウス 代表)

マーケティング歴10年。マーケティングと制作を手がける会社を含む2社で役員を務め、現在は観光系NPO法人の理事も務めています。上場企業の売上につながるお問い合わせ獲得をゴールとした広告運用・SEO、新規事業の商品の販売戦略構築、飲食店フランチャイズの出店拡大など、大きめの会社から小さなお店まで幅広く支援してきました。

出典

  1. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(図表5-1、国籍・地域別の結果「フランス」。2026年10月1日取得)
  2. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 集計表」(表2-1。2026年10月1日取得)
  3. 日本政府観光局「訪日旅行誘致ハンドブック2024年(欧州6市場編)」フランス(2026年10月1日取得)
  4. 日本政府観光局「フランス市場動向トピックス2024年11〜12月」(2026年10月1日取得)
  5. Guide du Routard「Quoi manger au Japon」(2026年10月1日取得)
  6. Lonely Planet(フランス語版)「Japon」(2026年10月1日取得)
  7. App Store「TheFork – Restaurant bookings」(2026年10月1日取得)
  8. Planity(2026年10月1日取得)
  9. Tripadvisor「Claim your Tripadvisor restaurant listing」(2026年10月1日取得)
  10. 確かめる順番とフランス語の一言の添え方は、支援の中で使っている実務上の例です
  11. 写真:Studio Stock
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