
お店の技術を外国の方に知ってもらうなら、仕事の手元を30秒ほどの縦長の動画にするところから始めるのが近道です。観光庁の調査では、日本に来る前に役に立った旅行情報源としてSNSが43.3%、動画サイトが39.6%挙がっていて、行き先の候補は動画で見比べられています。
この記事では、撮る場面と長さ・向き、話さずに伝える文字の入れ方から、写る人の許可や週に1本を続ける段取りまでを順にまとめました。撮るのはスマートフォンで十分で、特別な機材を使わない前提で書いています。
撮るのは、手元と工程と仕上がり、それから店内

外国の方に伝わるのは、言葉がなくても見れば分かる場面です。いちばん強いのは手元でしょう。麺を切る包丁や握る指先、スープを注ぐお玉、はさみを入れる角度などは、顔を写さなくても手の動きだけで技術の細かさが伝わります。
手元のあとに撮っておきたいのが、工程の順番です。仕込みから仕上がりまでを3〜4つの場面に分けて撮っておくと、どれだけ手間がかかっているかが1本の動画で分かります。そのうえで、仕上がりと店内やカウンターの様子を撮ります。仕上がりだけの動画はどのお店にもありますが、工程が入ると、そのお店にしかない動画になります。
美容室なら、カットの手元やブローで形が整っていくところ、仕上がりの後ろ姿と施術の席の雰囲気が材料になります。お店のどの技術を見せるかの選び方は、日本のお店の技術とインバウンドの記事に書きました。
動画の長さは30秒、向きは縦長
最初の1本は、30秒ほどの縦長の動画にします。短いほうが撮るのも直すのも楽で、同じ素材をいくつもの場所にそのまま載せられるからです。載せる場所ごとの長さの決まりは、各社の公式の案内では次のようになっています(2026年9月30日時点)。
| 載せる場所 | 長さ | そのほかの条件 |
|---|---|---|
| Google ビジネスプロフィール | 最大30秒 | ファイルサイズ75MBまで、解像度720p以上 |
| YouTube ショート | 最長3分 | 縦長か正方形の動画がショートに分類される |
| Instagram のリール | 最長20分まで撮影・編集できる | 3分を超えるリールは、まだフォローしていない人へのおすすめに表示されない |
この中でいちばん短いのが、Google ビジネスプロフィールの30秒です。ここに合わせて作っておけば、同じ1本をGoogleマップにもSNSにも載せられます。Googleマップでお店を確かめに来た人にも、SNSで見かけた人にも、同じ手元の動画が見えることになります。Googleマップとホームページのどちらから手を入れるかはこちらの記事にまとめました。
30秒の中身は、図1のように組み立てると迷いません。こつは、最初の数秒に、いちばん目を引く手元を置くことです。店の外観やロゴから始めると、何の動画か分かる前に次の動画へ流されてしまいます。お店の名前と場所は、最後の数秒に文字で入れれば足ります。
Point技術の動画は、手元と工程を30秒の縦長に収め、同じ1本をGoogleマップにもSNSにも載せる。
話さない動画に入れる、英語の短い文字

動画の中で話す必要はありません。声で説明せず、画面に英語の短い文字を入れるほうが、日本語の分からない人にも、音を消して見ている人にも伝わります。
入れる文字は、1つの場面に1行、数語で十分です。「Hand-cut noodles」「Broth simmered for 12 hours」のように、何をどれだけしているかが分かる言い方にします。「こだわりの」にあたる飾りの言葉を訳しても、見る人には何も残りません。最後の場面には、お店の名前、最寄り駅、予約の方法を入れておきます。
英語だけで足りるかは、来ている国によって変わります。中国語や韓国語の方が多いお店なら、その言語の文字を足すか、言語ごとに別の動画にします。中国語をどちらの字で用意するかは繁体字と簡体字の記事を参考にしてください。声で説明を入れたい場合は、YouTubeのように字幕を付けられる場所を選び、字幕を付けてから出すようにします。
写る人の許可と、撮らない場面

店内を撮るときに気をつけたいのが、写る人の許可です。お客様が写る場面は、顔が分からない角度で撮るか、先に本人に使ってよいかを確かめます。スタッフも同じで、顔を出してよい人と出したくない人がいます。撮る前に聞いておき、出したくない人は手元だけにします。
美容室では、施術中のお客様がいちばん撮りたくなる場面です。仕上がりの動画を載せるときは、必ずお客様の了承をもらってからにします。了承をもらえたお客様の日に撮影をまとめておくと、毎回お願いする手間が減ります。
撮らない場面も、先に決めておきます。片付け途中の洗い場や、段ボールの積まれた裏口は、見た人の印象を下げます。衛生の面で誤解を招く場面は映さないと決めておけば、撮る人が迷いません。
週に1本を続けるための段取り

動画は1本出して終わりにせず、週に1本の間隔で続けるほうが、見つけてもらえる量が積み上がります。週に1本という数は、私たちが支援の中で使っている目安で、決まった基準があるわけではありません。
続けるこつは、撮る日と出す日を分けることです。仕込みの時間のように撮りやすい日に、4本分の素材をまとめて撮っておき、週に1本ずつ文字を入れて出します。撮る人と文字を入れる人を分けておくと、どちらかが忙しい週でも止まりません。
出したあとは、月に1回、どの動画がよく見られたかを確かめます。よく見られた動画と同じ場面を、角度や料理を変えて撮り直すと、次の1本の外れが減ります。どのSNSに出すかは、インバウンドのSNSの記事で、来ている国から選ぶ順番をまとめています。
お店でやること、外に頼むと早いこと

撮ることそのものは、お店の方がいちばん上手にできます。どの時間の、どの手元がいちばんきれいに見えるかは、毎日その仕事をしている人にしか分かりません。スマートフォンを台に固定して、明るい場所で撮るだけで十分です。
外に頼むと早いのは、英語の文字が自然に読めるかの確認と、どの国の方に向けて、どこに載せるかの判断です。最初の数本の組み立てを一緒に作っておけば、あとはお店で同じ形をくり返せます。動画を体験メニューの予約につなげたい場合は、体験メニューの記事が参考になります。
よくある質問
Q. 動画はスマートフォンで撮っても大丈夫ですか
大丈夫です。Google ビジネスプロフィールの動画は解像度720p以上が条件で、いまのスマートフォンの通常の設定で撮れば満たせます。台に固定して、明るい場所で手元を撮るだけで十分に伝わります。
Q. 英語が話せなくても、動画は作れますか
作れます。声で説明せず、画面に英語の短い文字を入れる形なら、話す必要はありません。1つの場面に1行、何をどれだけしているかを数語で書けば伝わります。
Q. 同じ動画を、GoogleマップにもSNSにも載せていいですか
載せられます。30秒以内の縦長で作っておけば、Google ビジネスプロフィールの上限(30秒)にも、YouTube ショートやInstagram のリールの条件にも収まります。
Q. どのくらいの頻度で出せばいいですか
週に1本が目安です。私たちが支援の中で使っている目安で、決まった基準ではありません。撮る日にまとめて素材を撮っておき、週に1本ずつ出すと続けやすくなります。
まとめ
お店の技術を伝える動画は、手元と工程と仕上がりを30秒の縦長にまとめ、英語の短い文字を添えるところから作れます。スマートフォンで撮れる範囲で十分で、同じ1本をGoogleマップにもSNSにも載せられます。
ご相談で迷われるのは、撮り方よりも、どの場面を最初の3秒に置くかのほうです。毎日見ている手元ほど、どれが外から目を引くのかが分かりにくくなります。私たちは、お店の仕事の流れを一緒に見ながら、最初の数本の場面と入れる文字を決めるところからお手伝いします。すでに動画を続けていて、よく見られているなら、無理に変えなくていいとお伝えします。
動画づくりやインバウンドの方々への見せ方で迷ったときは、インバウンド集客のご相談からご連絡ください。支援の内容はインバウンド集客支援のページに、今の状況を整理したいときは無料診断もご利用いただけます。
この記事の監修者
出典
- 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年 年次報告書」(図表5-1 出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの。全国籍・地域、複数回答。2026年9月30日取得)
- Google ビジネス プロフィール ヘルプ「ビジネス プロフィールの写真と動画を管理する」(動画の要件。2026年9月30日取得)
- YouTube ヘルプ「3 分間の YouTube ショートについて」(2026年9月30日取得)
- Instagram「Instagram Reels: Create & Share Short Videos」(リールの長さ。2026年9月30日取得)
- YouTube ヘルプ「字幕を追加する」(2026年9月30日取得)
- 30秒の組み立て方と週に1本の目安は、支援の中で使っている実務上の例です
- 写真:Studio Stock



