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【2025年】インバウンド需要は9.5兆円|何にお金を使い、日本で何をしたいか。小さなお店の需要はどこにあるか

【2025年】インバウンド需要は9.5兆円|何にお金を使い、日本で何をしたいか。小さなお店の需要はどこにあるか

インバウンドの需要は、数字で見ると思っている以上にお店の近くにあります。2025年に日本を訪れた外国人は4,268万人、旅行中に使ったお金は9兆4,549億円で、どちらも過去最高でした。そしてそのお金の半分近くは、食事と買い物に使われています。

「インバウンドが伸びているのは分かるけれど、うちのような小さなお店に関係があるのか分からない」というご相談をよくいただきます。この記事では、観光庁と日本政府観光局(JNTO)の最新の数字から、インバウンドの方々が何にお金を使い、日本で何をしたいと思っているのかを整理しました。そのうえで、飲食店や美容室、小売店にとってどんな需要があるのかを書いています。

1年で4,268万人、使ったお金は9.5兆円

ノートパソコンと、グラフが印刷された資料が並ぶテーブル

JNTOによると、2025年に日本を訪れた外国人は4,268万3,301人で、前の年より15.8%増えました。それまで過去最高だった2024年の3,687万人を、580万人以上上回っています。

お金の面では、観光庁の調査で、2025年の訪日外国人旅行消費額が9兆4,549億円(2024年比16.4%増)と推計されています。1人あたりの旅行支出は22万9千円です。1年間に、4千万人を超える人が、1人20万円あまりを日本で使っていることになります。

2026年に入ってからは、1月から8月までの訪日外国人が2,762万6,300人で、前年の同じ時期より2.7%少なくなっています。中国からの人数が大きく減ったためです。それでも、9月30日に発表された2026年4〜6月期の旅行消費額は2兆5,125億円で、前年の同じ時期とほぼ同じ(0.3%増)でした。中国の消費額が半分近くまで減った一方で、台湾や米国、韓国などの消費額が伸びています。人数が少し減っても、使われるお金の大きさは保たれているというのが、いまの状況です。

項目数字時点・種類
訪日外国人の数4,268万3,301人(前年比15.8%増)2025年・確定値(JNTO)
訪日外国人旅行消費額9兆4,549億円(前年比16.4%増)2025年・確報(観光庁)
1人あたりの旅行支出22万9千円2025年・確報、一般客
訪日外国人旅行消費額2兆5,125億円(前年同期比0.3%増)2026年4〜6月期・2次速報

旅行中のお金は、何に使われているか

9兆4,549億円の内訳を見ると、いちばん大きいのは宿泊費で、全体の36.6%です。次が買物代の27.0%、飲食費の21.9%と続きます。金額にすると、買物代が2兆5,541億円、飲食費が2兆688億円です。美容院やネイルサロン、現地ツアーなどが入る娯楽等サービス費も、4,236億円あります。

2025年の訪日外国人旅行消費額の費目別の内訳。宿泊費3兆4,578億円、買物代2兆5,541億円、飲食費2兆688億円、交通費9,449億円、娯楽等サービス費4,236億円
図1 訪日外国人旅行消費額の費目別の内訳(2025年)

宿泊費と交通費は、ホテルや鉄道が受け取るお金です。一方で、買物代と飲食費と娯楽等サービス費を足すと、およそ5兆円になります。街の飲食店や小売店、美容室などが直接受け取れるお金が、全体の半分以上を占めているわけです。

1人あたりで見ても、買物に6万1千円、食事に5万円を使っています。平均の滞在は9.5泊なので、ならすと1泊あたり5千円ほどを食事に使っている計算です。2026年4〜6月期は、前年の同じ時期と比べて、飲食費と娯楽等サービス費、買物代の割合が増えました。

インバウンドの方々が、日本でしたいこと

お金の使い道を裏付けるのが、日本滞在中の行動です。観光庁の2025年の年次報告書では、今回の滞在中にしたこととして「日本食を食べること」が98.2%と、ほぼ全員が挙げています。「ショッピング」が88.1%、「繁華街の街歩き」が81.8%と続きます。

日本滞在中に今回したことと次回したいことの割合。日本食を食べること98.2%と70.7%、ショッピング88.1%と54.2%、繁華街の街歩き81.8%と37.6%、日本の酒を飲むこと48.6%と31.8%、日本の歴史・伝統文化体験32.7%と29.3%、日本の日常生活体験28.2%と26.9%、温泉入浴27.0%と51.4%
図2 日本滞在中に「今回したこと」と「次回したいこと」(2025年、抜粋)

次に日本へ来たときにしたいことでも、1位は「日本食を食べること」の70.7%です。最も満足した飲食は肉料理(32.5%)がいちばん多く、ラーメン(19.7%)と寿司(13.7%)が続きます。満足した理由には「美味しい」「食材が新鮮」「伝統的・日本独特」が多く挙がっています。高級店だけでなく、ラーメンのような街の食事が上位に入っているのが分かります。

もうひとつ目を引くのが満足度です。今回したことのうち、満足した人の割合がいちばん高かったのは「日本の日常生活体験」の97.2%でした。日本人にとっては普段どおりの食事や買い物、身だしなみを整えることが、インバウンドの方々には旅の目的になっています。日本の職人の技やお店の手仕事がなぜ喜ばれるのかは、日本の技術とインバウンドの記事で詳しく書きました。

小さなお店にとっての需要は、どこにあるか

黒い盆に並んだ、花の形の色とりどりの和菓子

ここまでの数字を、お店の側から読み直してみます。インバウンドの需要は、大きな観光施設だけに向いているわけではなく、街のお店が普段売っているものに向いています。

飲食店なら、需要はいちばんはっきりしています。ほぼ全員が日本食を食べ、次に来たときも食べたいと答えています。小売店なら、最も満足した購入商品の上位に菓子類(19.1%)や衣類(17.5%)が入り、理由には「美味しい」「品質が良い」「デザインが良い・かわいい」が挙がっています。美容室やネイル、体験教室なら、娯楽等サービス費と「日本の日常生活体験」の満足度の高さが、需要の手がかりになります。

そして、満足した人は戻ってきます。訪日旅行全体に「大変満足」と答えた人は73.5%、日本に「必ず来たい」と答えた人は77.9%でした。一度来てくれた人が、次の旅でもまたお店を探してくれることも、需要のうちに入ります。

Pointインバウンドの需要は、食事や買い物、日常の体験という、街のお店が普段売っているものに向いている。

ただし、日本全体で需要があることと、そのお客様が自分のお店に来ることは別の話です。全体の数字が過去最高でもお店では増えない理由は、インバウンドが増えていると聞くのにお店では増えない理由の記事で、国ごとの数字から説明しています。

お店でできること、外に頼むと早いこと

需要をお店の売上につなげる最初の一歩は、お店のお客様の中に、どの国の方がどれくらいいるかを確かめることです。予約や会計の記録から国を数えるだけでも、どの言葉で、何を伝えればいいかが絞れます。調べ方はお客様の国を調べる記事にまとめました。メニューの外国語表記や、来店したお客様への口コミのお願いも、お店の中で始められます。

外に頼むと早いのは、外国の方が検索したときにお店が見つかる状態をつくることです。外国語のホームページや地図の情報、グルメサイトへの掲載は、誰に向けて何をどの言葉で載せるかを決めるところで手が止まりがちです。検索や口コミは積み上がるまでに時間がかかるので、始める時期も結果を左右します。なぜ今のうちに手をつけるとよいのかは、インバウンド対策を今始める理由の記事で書いています。

よくある質問

Q. インバウンドの需要は、今後も続きますか

国によって違います。2026年1〜8月の訪日外国人は前年同期より2.7%少なくなりましたが、主な理由は中国からの人数の減少です。2026年4〜6月期の旅行消費額は前年並みで、台湾や米国、韓国などは伸びています。日本に「必ず来たい」と答えた人も77.9%いました。

Q. 小さな飲食店にも、インバウンドの需要はありますか

あります。2025年の訪日外国人の飲食費は2兆688億円で、滞在中に日本食を食べた人は98.2%でした。最も満足した飲食には、肉料理やラーメン、寿司といった街の食事が上位に入っています。

Q. どの国のお客様の消費が大きいですか

2025年の旅行消費額がいちばん大きいのは中国で、台湾・米国・韓国・香港が続きます。この5つで全体の62.2%でした。2026年4〜6月期は、米国がいちばん大きくなっています。お店にとって大事なのは、来ているお客様の国と伸びている国が重なっているかどうかです。

Q. 需要があるのに、お店のお客様が増えないのはなぜですか

来ている国の顔ぶれや、泊まる街、使うサイトがお店と合っていないことが多いです。国ごとの数字とお店の数字の並べ方は、インバウンドが増えていると聞くのにお店では増えない理由の記事で説明しています。

まとめ

インバウンドの需要は、2025年に9兆4,549億円と過去最高でした。そのうち、食事と買い物と、美容や体験などのサービスに使われたお金は5兆円にのぼります。日本食を食べることも、買い物も、日常の暮らしに触れることも、インバウンドの方々がいちばんしたいことの中に入っています。

ご相談で迷われるのは、需要があるかどうかより、その需要のうち、どの国の、どんなお客様に向けて手を打つかというところです。お店のお客様の国と伸びている国を一緒に確かめて、外国語で何をどこに載せるかまで、お店の規模に合わせて決めていきます。いまのお客様で十分なら、無理に広げなくてよいこともお伝えします。

インバウンドの集客でお困りのときは、インバウンド集客のご相談からお気軽にご連絡ください。支援の内容はインバウンド集客支援のページにまとめています。

この記事の監修者

瀬川将也

瀬川将也(合同会社ライトハウス 代表)

マーケティング歴10年。マーケティングと制作を手がける会社を含む2社で役員を務め、現在は観光系NPO法人の理事も務めています。上場企業の売上につながるお問い合わせ獲得をゴールとした広告運用・SEO、新規事業の商品の販売戦略構築、飲食店フランチャイズの出店拡大など、大きめの会社から小さなお店まで幅広く支援してきました。

出典

  1. 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(総数)」2026年・2025年の月別表(2026年9月30日取得)
  2. 日本政府観光局(JNTO)「訪日外客数(2025年12月推計値)」(2026年9月30日取得)
  3. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年暦年の調査結果(確報)の概要」(2026年9月30日取得)
  4. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2026年4-6月期の調査結果(2次速報)の概要」(2026年9月30日取得)
  5. 観光庁「訪日外国人の消費動向 インバウンド消費動向調査結果及び分析 2025年 年次報告書」(2026年9月30日取得)
  6. 写真:Studio Stock
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