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インバウンドのキャッシュレス決済は何を入れる?カード・タッチ決済・QRコード決済の選び方と手数料【国別の利用率付き】

インバウンドのキャッシュレス決済は何を入れる?カード・タッチ決済・QRコード決済の選び方と手数料【国別の利用率付き】

インバウンドの方々の多くはクレジットカードで払っていて、中国本土の方はスマートフォンのQRコード決済をよく使います。小さなお店がまず入れるなら、タッチ決済のカードとQRコード決済を受けられる端末を1台置き、使えることを入口とレジに書いておくところからで足ります。

この記事では、観光庁の調査で国ごとの支払い方を確かめます。そのうえで、どの決済から入れるか、手数料と入金の比べ方、東京都内のお店が使える補助金をまとめました。

インバウンドの方々は、日本でどんな方法で払っているのか

観光庁の「インバウンド消費動向調査」(2025年、確報)では、日本滞在中に使った決済方法を複数回答で聞いています。全体では現金が92.3%、クレジットカードが75.0%、交通系ICカードが36.2%、AlipayやWeChat Payなどのモバイル決済が20.9%でした。

国ごとに見ると、違いがはっきり出ます。米国やシンガポール、フランスの方は9割ほどがクレジットカードを使っています。一方で中国の方はモバイル決済が82.6%と高く、カードは49.0%にとどまります。

国・地域別に、日本滞在中に使った決済方法の割合を比べた横棒グラフ。全国籍・地域ではクレジットカード75.0%、モバイル決済20.9%、現金92.3%。中国はクレジットカード49.0%、モバイル決済82.6%。米国はクレジットカード91.1%、シンガポール91.0%、フランス90.2%、英国87.7%、オーストラリア87.0%で、これらの国のモバイル決済は3〜4%台。韓国はクレジットカード79.0%、モバイル決済4.9%、台湾82.8%と11.0%、香港72.9%と12.7%、タイ76.9%と2.6%
図1 国・地域別の、日本滞在中に使った決済方法(2025年、複数回答)

現金を使う方もまだ多いので、現金をやめる必要はありません。現金に加えて、来ている国の方がふだん使う方法でも払えるようにしておく、という考え方で選びます。

カードが使えずに困った場所と、困った中身

ガラスのショーケースに並んだ、クロワッサンなどの焼き菓子

観光庁が令和7年度に5つの空港で4,110人に聞いた調査では、旅行中に困ったこととして「クレジット/デビットカードの利用」が10.7%で6番目でした。困った割合は令和5年度から上がり続けています。

カードで困った人に場所を聞くと、いちばん多いのは飲食店(32%)で、その他の小売店(17%)が続きます。困った中身は、「カードが使えなかった」が46%、「カードが対応していなかった」と「使えるか分からなかった」がそれぞれ23%でした。磁気での決済でセキュリティが不安だった(6%)、目の前で決済してもらえなかった(5%)という声もあります。

つまり、カードを受けていないことに加えて、受けていても使えるかどうかが伝わっていないことで、飲食店は選ばれにくくなっています。使えるカードと決済の表示の書き方は、外国人の接客で先に書いておくことの記事にまとめました。

最初に入れたい、タッチ決済に対応したカード端末

木のカウンターに置かれた、ラテアートのコーヒーとマフィン

カード決済をまだ受けていないお店が最初に入れるのは、カードを差し込むだけでなく、かざして払う「タッチ決済」にも対応した端末です。調査で不安の声が出ていた磁気での読み取りに頼らずに済み、お客様が自分のカードを手に持ったまま払えます。

端末は席まで持っていけるものを選ぶと、お客様の目の前で決済できます。カードを預かって奥で処理すると、不安に思う方がいます。端末を入れたら、入口とレジ、メニューの最初のページに、使えるカードのマークを並べておきます。「使えるか分からなかった」という23%の声は、この表示でなくせます。

Point決済の種類をそろえる前に、タッチ決済とQRコード決済を受けられる端末を1台置き、使えることを入口とレジで見せる。

中国本土のお客様が多いお店で受けたい、QRコード決済

窓から光が入り、緑の多い明るいカフェの客席

中国本土の方の8割以上がモバイル決済を使っているので、中国からのお客様が多いお店では、AlipayやWeChat Payで払えるかどうかが選ばれる理由になります。中国の方がお店をどう探して決めるかは、中国人観光客のお店探しの記事に書きました。

日本のQRコード決済のなかには、海外のアプリでの支払いを受けられるものがあります。たとえばPayPayの「Alipay+」では、Alipay(中国本土)やAlipayHK(香港)のほか、韓国のKakao Pay・NAVER Pay・Toss、タイのTrueMoneyなどのアプリで払ってもらえます。手数料は取引金額の1.98%(税別)です。WeChat Payは、PayPayの「HIVEX」というサービスで2025年9月16日から受けられるようになりました。

QRコード決済は、来ている国の方が使うアプリが入っているかを、決済会社の公式の一覧で確かめてから選びます。

決済会社を選ぶときに比べる、手数料と入金のタイミング

白いテーブルの上に置かれた、黒い二つ折りの財布

端末を選ぶときは、端末の値段よりも、毎回かかる決済の手数料と、売上がいつ口座に入るかを比べます。手数料は売上がある限りかかり続け、入金が遅いと仕入れや家賃の支払いに響きます。2026年10月2日時点の公式の案内から、例を並べます。

決済サービス決済の手数料入金のタイミング
Square(無料プラン)対面のカード決済2.5%(年間の決済額が3,000万円未満で、主なカードブランドの場合)。それ以外は3.25%〜みずほ銀行・三井住友銀行なら翌営業日、ほかの金融機関は毎週金曜日。振込手数料なし
Airペイ決済方法によって0.99%〜3.24%。月額の固定費なし口座によって月6回か月3回。振込手数料なし
PayPayの「Alipay+」取引金額の1.98%(税別)PayPayの入金の決まりに従う

手数料の率は、決済の種類や売上の規模で変わります。どのカードやアプリに対応しているかもあわせて確かめます。

東京都内のお店が端末の購入に使える補助金

窓辺の木の棚に、かごに入ったパンが並ぶパン屋の店内

東京都内の飲食店や小売店(中小企業)、宿泊施設は、東京観光財団の「インバウンド対応力強化支援事業補助金」で、キャッシュレス決済の機器を入れる費用の補助を受けられる場合があります。補助は対象経費の2分の1以内、1店舗あたり上限300万円で、募集期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日までです。予算に達すると、その前に受付が終わります。

申請の手引きでは、タッチ決済とQRコード決済の両方に対応している機器が対象とされています。対象になるのは機器の購入費や設置費で、決済の手数料や通信費のような毎月の費用は対象外です。交付決定より前に買った機器も対象になりません。申請から入金までの流れは東京都のインバウンド補助金の記事に、ほかの制度はインバウンド対策の補助金・助成金の記事にまとめています。

お店で決めること、外に頼むと早いこと

明るい台の上に置かれたタブレットとペン

どの国のお客様が多いか、いまの支払いのどこで止まっているかは、お店の方がいちばんよく知っています。まずは会計のときに、カードやQRコード決済を聞かれた回数と、そのお客様の国を1か月ほど書き留めてみます。それだけで、入れる決済の順番が決まります。来ている国の調べ方はお客様の国を調べる記事にあります。

外に頼むと早いのは、決済会社ごとの手数料と対応アプリを来ている国に合わせて比べることと、補助金の対象になる機器かどうかの確認です。使えることをGoogleマップのお店の情報や予約のページにも同じ内容で載せる作業も、まとめて頼むと抜けが出にくくなります。

よくある質問

Q. 現金だけのお店では、外国人のお客様に来てもらえませんか

来てもらえます。観光庁の2025年の調査でも、日本滞在中に現金を使った方は92.3%います。ただ、カードを使えずに困った場所でいちばん多いのは飲食店です。現金だけなら、入口とメニューに英語で「Cash only」と書いておきます。

Q. QRコード決済は、どれを入れればいいですか

中国本土のお客様が多ければ、AlipayやWeChat Payで払えるものを選びます。PayPayのAlipay+のように、韓国やタイなどのアプリにまとめて対応するものもあります。来ている国の方が使うアプリが入っているかを、決済会社の公式の一覧で確かめてから選びます。

Q. キャッシュレス決済の端末に補助金は使えますか

東京都内の飲食店や小売店(中小企業)なら、東京観光財団のインバウンド対応力強化支援事業補助金で、機器の購入費や設置費の2分の1以内(上限300万円)の補助を受けられる場合があります。タッチ決済とQRコード決済の両方に対応した機器が対象で、決済の手数料のような毎月の費用は対象外です。

まとめ

インバウンドの方々の多くはクレジットカードで払い、中国本土の方はQRコード決済をよく使います。カードで困った場所でいちばん多いのは飲食店です。タッチ決済とQRコード決済を受けられる端末を1台置き、使えることを入口とレジで見せるところから始めます。

ご相談で迷われるのは、どの決済会社を選ぶかです。手数料や入金のタイミング、対応しているアプリは会社ごとに違い、比べる表を作るだけでも時間がかかります。私たちは、来ているお客様の国と、いまの会計の流れを一緒に見て、入れる決済と順番を決めます。今の決済で足りていれば、そうお伝えします。

キャッシュレス決済や外国人のお客様の受け入れでお困りのときは、インバウンド集客のご相談からお気軽にご連絡ください。支援の内容はインバウンド集客支援のページに、今の状況を整理したいときは無料診断もご利用いただけます。

この記事の監修者

瀬川将也

瀬川将也(合同会社ライトハウス 代表)

マーケティング歴10年。マーケティングと制作を手がける会社を含む2社で役員を務め、現在は観光系NPO法人の理事も務めています。上場企業の売上につながるお問い合わせ獲得をゴールとした広告運用・SEO、新規事業の商品の販売戦略構築、飲食店フランチャイズの出店拡大など、大きめの会社から小さなお店まで幅広く支援してきました。

出典

  1. 観光庁「インバウンド消費動向調査 2025年(令和7年)暦年 集計表【確報】」表1-1(一般客・全目的、日本滞在中に利用した決済方法。2026年10月2日取得)
  2. 観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境に関する調査を実施しました」、同 別紙「令和7年度『訪日外国人旅行者の受入環境整備に関するアンケート』調査結果」(2026年10月2日取得)
  3. PayPay 加盟店様向けヘルプ「Alipay+ とは」(2026年10月2日取得)
  4. PayPay「HIVEX(ハイベックス)における決済サービス追加のお知らせ(WeChat Pay/微信支付)」(2025年9月16日。2026年10月2日取得)
  5. Square「料金」(2026年10月2日取得)
  6. Airペイ「カード・電子マネー・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス」(2026年10月2日取得)
  7. 公益財団法人東京観光財団「インバウンド対応力強化支援事業補助金」、同 申請の手引き(令和8年9月1日改訂。2026年10月2日取得)
  8. 写真:Studio Stock
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