
多言語サイトの制作は、制作会社に頼む前に、言語や訳す範囲、更新する人をお店の側で決めておくと、途中で止まりにくくなります。何語にするか、誰が更新するか、どこまで訳すか。ここが決まっていないまま発注すると、見積もりも納品物もお店の実情とずれていきます。
この記事では、飲食店や美容室、宿泊施設などの小さなお店が多言語サイトを作るときに、依頼の前に決めること、頼み方、納品のときに確かめることを順にまとめました。ページの分け方については、Google 検索セントラルの案内に沿って書いています。
多言語サイトの制作が、途中で止まりやすい理由

多言語サイトの相談では、「英語のページがほしい」というところから話が始まることがよくあります。ところが、進めていくうちに決めていなかったことが次々に出てきます。中国語や韓国語も要るのか。メニューは全部訳すのか。料金が変わったら誰が直すのか。
こうした判断は、制作会社には代わりにできません。お店の客層や、公開したあとに回せる手間を知っているのはお店の側だからです。決めることが後から出てくるほど、見積もりのやり直しや公開の遅れにつながります。
制作会社に頼む前に、お店で決めておくこと

依頼の前に決めておきたいのは、言語・訳す範囲・訳し方・更新する人・予算と時期です。どれも、正解を知っている必要はありません。いまの時点での考えがあれば、制作会社との話が具体的になります。
| 決めること | 決めるときの考え方 |
|---|---|
| 対応する言語 | 実際に来ている国の割合で決める。分からなければ英語から始める |
| 訳す範囲 | 日本語のページを全部訳すのか、予約に必要なページだけにするのか |
| 訳し方 | 日本語をそのまま訳すのか、旅行者が知りたいことに合わせて書き直すのか |
| 更新する人 | 営業時間や料金が変わったとき、外国語のページを誰が直すのか |
| 予算と時期 | いくらまでかけられるか。繁忙期の前など、いつまでに公開したいか |
なかでも見落とされやすいのが、訳し方と更新する人です。日本語のページは近くに住むお客様を思い浮かべて書かれていることが多く、そのまま訳すと、旅行者が確かめたい行き方や支払い方法が抜けたままになります。訳すだけか、書き直すかで、制作の手間も費用も変わります。来ている国の調べ方は来ている国の調べ方の記事に、載せる中身はインバウンド向けのホームページに載せることの記事にまとめています。
言語ごとのページの分け方
ページの分け方は、見た目では分かりにくいものの、あとから変えるのが大変なところです。Googleは、言語ごとに別のURLを使うことを勧めています。Cookie やブラウザの設定で、同じURLのまま表示の言語だけを切り替える方法は勧めていません。
Google 検索セントラルの「多地域、多言語サイトの管理」では、分け方として国別のドメイン・サブドメイン・サブディレクトリが挙げられています。URLのパラメータで分ける方法は勧められていません。サブディレクトリは「手軽に導入可能、管理しやすい」とされています。いまのお店のサイトに言語を足すなら、サブディレクトリで分けるのが扱いやすい形です。
あわせて、各言語のページが対応していることをGoogleに伝える設定(hreflang)も入れておきます。Googleは、伝え方としてHTML・HTTPヘッダー・サイトマップの3つを挙げ、ほかの言語だけでなく、そのページ自身の言語もリストに含めるよう案内しています。この設定は制作会社に頼む部分なので、依頼の文面に書いておけば足ります。
今のサイトに足すか、翻訳の機能を使うか

作り方は、大きく分けると、今のサイトの中に言語ごとのページを作る方法と、翻訳の機能(プラグインなど)で自動で訳す方法があります。
今のサイトに言語ごとのページを作る方法は、中身を言語ごとに書き分けられるのが強みです。旅行者向けに書き直したページを、言語ごとのURLで公開できます。その代わり、ページを作る手間と、更新の手間がかかります。
翻訳の機能を使う方法は、早く、少ない費用で始められます。ただ、機能によっては言語ごとのURLができず、表示だけを切り替えるものもあります。その場合、先ほどのGoogleの案内に沿わない形になります。導入する前に、言語ごとに別のURLができるかどうかを制作会社に確かめておきます。自動で訳した文章は、料金や条件が正しく伝わっているかを、その言語が分かる人に一度読んでもらってから公開します。
依頼の文面に書くことと、納品のときに確かめること
制作会社に頼むときは、口頭で伝えるより、決めたことを文面にして渡すほうが、見積もりのずれが減ります。先ほど決めた言語や訳す範囲に加えて、ページの分け方と作り方の希望も書いておきます。
納品のときは、見た目だけでなく、言語ごとに別のURLで開けるか、ほかの言語へ切り替えるリンクがあるかを確かめます。利用者の言語を推測して、ほかの言語のページへ自動で振り分けないことも、Googleが案内している点です。公開したあとにお店の側で更新できるかも、このときに確かめておきます。更新の手順が渡されていないと、料金を変えたときに外国語のページだけが古いまま残ります。公開したあとの確かめ方は、英語ページが検索に出てこないときの記事に書いています。
Point多言語サイトは、依頼の前に決めたことを文面にして渡し、納品のときに同じ項目で確かめる。
自分で進めるところ、外に頼むと早いところ

言語や訳す範囲を決めるところは、お店の方が自分で進められる部分です。お客様の顔ぶれや、回せる手間を知っているのはお店だからです。
一方で、ページの分け方やhreflangの設定、翻訳の確認は、慣れていないと時間がかかります。ここを外に頼むと、公開までが早くなります。決めるところはお店で、作るところと確かめるところは外に頼む、という分け方が、小さなお店では進めやすい形です。
よくある質問
Q. 最初から何か国語も用意したほうがいいですか
最初は英語から始めて構いません。実際に来ている国の割合を見て、ほかの言語を足すかどうかを決めます。
Q. 翻訳のプラグインだけで済ませても大丈夫ですか
言語ごとに別のURLができるものなら、始め方の一つになります。表示だけを切り替えるものはGoogleの案内に沿わないため、導入の前に確かめます。訳した文章は、公開の前にその言語が分かる人に読んでもらうと安心です。
Q. 日本語のサイトを作り直さないと、多言語にできませんか
作り直さなくても、今のサイトの中に言語ごとのページを足す形で進められます。Googleは、サブディレクトリでの分け方を手軽に導入でき、管理しやすい方法として挙げています。
Q. 制作会社には、何を渡せばいいですか
対応する言語・訳す範囲・訳し方・更新する人・予算と時期・ページの分け方の希望を、文面にして渡します。納品のときは、同じ項目で確かめます。
まとめ
多言語サイトの制作は、言語・訳す範囲・訳し方・更新する人を先に決めて、文面にして頼むところから始めます。ページは言語ごとに別のURLで分け、納品のときは依頼の文面と同じ項目で確かめます。
ご相談でよく迷われるのは、どこまで訳して、どこから書き直すかです。全部を訳そうとすると費用がふくらみ、訳さなすぎると旅行者が知りたいことが抜けます。私たちは、来ている国や予約の受け方を伺いながら、最初に用意する言語とページ、依頼の文面を一緒に決めて、制作と公開後の確認まで進めます。
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この記事の監修者
出典
- Google 検索セントラル「多地域、多言語サイトの管理」(2026年9月30日取得)
- Google 検索セントラル「ローカライズされたバージョンについて Google に知らせる」(2026年9月30日取得)
- 写真:Studio Stock



