
小規模事業者持続化補助金は、お店や小さな会社が新しいお客様を増やすための費用を、原則3分の2、50万円まで補助する制度です。チラシやホームページ、看板、展示会への出展まで使える範囲は広く、毎年のように公募があります。
ただ、「何に使えるか」から考えると、たいてい計画がぼやけます。この補助金は、来年どんなお客様に何を売るかという計画に対してお金が出る仕組みだからです。第20回の公募要領(2026年7月の第8版)をもとに、使える費用と使えない費用、使い道の決め方、締切までの動き方をまとめました。
持続化補助金で何ができて、いくら出るのか

対象は小規模事業者です。商業・サービス業なら常時使用する従業員が5人以下、宿泊業・娯楽業と製造業その他は20人以下が目安になります。経営計画を自分で作り、それに沿って販路を広げる取り組みや、あわせて行う業務の効率化にかかる費用が補助されます。
| 項目 | 内容(第20回・公募要領第8版) |
|---|---|
| 補助率 | 対象経費の3分の2です。賃金引上げ特例を使う事業者のうち、赤字の事業者は4分の3になります |
| 補助上限 | 50万円です。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方で200万円が上乗せされます |
| 申請の受付 | 2026年11月5日から12月15日の17時までです。電子申請だけで、郵送では受け付けていません |
| 事業支援計画書 | 地域の商工会か商工会議所に発行してもらう書類で、申請に必要です。発行の依頼は2026年12月4日までです |
| 事業の期限 | 交付決定の日から2028年3月31日までに、発注から支払いまでを終えます |
補助金は後払いです。費用はいったん全額を払い、実績報告を出して金額が決まってから振り込まれます。審査もあるので、申請すれば必ずもらえるわけではありません。
使える費用、使えない費用

対象になる経費は8つの区分に決まっています。機械装置等費・広報費・ウェブサイト関連費・展示会等出展費・旅費・新商品開発費・借料・委託外注費です。これ以外の費用は、どれだけ事業に必要でも対象になりません。
よく使われるのは広報費です。チラシやカタログ、新聞や雑誌の広告、看板はもちろん、インターネット広告やSNS広告も入ります。SNSの運用を代行してもらう費用も対象です。一方で、会社案内のパンフレットや求人広告、名刺は、商品やサービスを売るためのものではないので対象外です。
ホームページは少し注意が要ります。ウェブサイト関連費だけで申請することはできず、ほかの経費と組み合わせる必要があります。この経費で申請できる補助金の額は30万円までです。
機械や設備も、何でも買えるわけではありません。今の仕事を続けるための買い替えや、パソコン、事務用のプリンター、車両のようにほかの用途にも使えるものは対象外です。委託・外注費は、自分でやるのが難しい仕事に限られます。ふだん自分たちでやっている仕事を外に出すだけなら、認められません。
支払いにも決まりがあります。交付決定の日より後に発注し、期限までに払い終えた費用だけが対象です。1回10万円(税抜き)を超える支払いは現金では認められず、原則は銀行振込です。申請書類や実績報告を作ってもらう費用も、補助の対象になりません。
使い道を決めるときの順番
申請書では、事業が終わってからおおむね1年以内に売上につながることを、数字で説明しなければなりません。市場やお客様の分析、営業の方針、売上や粗利がどれだけ増えるかを計画に書きます。売上の見込みが立たない取り組みは、そもそも対象外とされています。
ですから、順番は「来年、どんなお客様を新しく取りたいか」から始めます。次に、そのお客様がふだん何を見ているかを考えます。近所の人ならチラシや看板、遠くの人ならホームページやネットの広告、取引先を探しているなら展示会です。そこまで決まってから、かかる費用を出し、8つの経費のどれに当たるかを確かめます。
Point使える経費の一覧からではなく、来年どんなお客様に何を売るかから使い道を決める。
逆に、「ホームページが古いから直したい」「ちょうど看板を替えたかった」から始めると、誰に何を売るかが後づけになります。審査でも、自分で検討した跡が見えない計画は不採択の対象と明記されています。どこに力を入れれば売上が動くかが分からないときは、売上が伸びないときに最初に見るところを先に読んでみてください。
第20回の締切から逆算したスケジュール
申請の受付は11月5日からですが、準備はそれより前に始める必要があります。電子申請には「GビズIDプライム」のアカウントが要り、持っていなければ先に取っておきます。計画書を書いたら、地域の商工会か商工会議所に事業支援計画書の発行を頼みます。この依頼は12月4日で締め切られ、あとからはどんな理由でも受け付けてもらえません。
気をつけたいのは、申請してから使えるようになるまでの長さです。採択の発表は2027年3月ごろの予定で、そのあと見積書を出してから交付決定までに、さらに1〜2か月かかるとされています。今年のうちにやりたいことには間に合いません。持続化補助金は、来年の春から1年かけて進める計画のための制度だと考えておくと、使い道を選び間違えにくくなります。
お店の所在地によって、商工会の地区か商工会議所の地区かが分かれ、事務局も別になります。申請の前に、どちらの窓口になるかを確かめてください。
申請の前に、やらなくていいこと

上限まで使い切ろうとしなくて大丈夫です。補助は3分の2なので、残りの3分の1は自分で払います。売上につながる見込みの薄いものまで入れると、その分だけ出費が増え、計画の説明も苦しくなります。
急いでいる取り組みを、補助金のために待たせる必要もありません。今年のうちに始めたほうが売上になるなら、自己資金で進めるほうが結果は早く出ます。補助金は、来年の取り組みに合うときだけ使えば十分です。
計画書を丸ごと人に書いてもらうのも避けたいところです。公募要領は、事業者が自分で検討した計画であることを求めています。第三者の支援を受けた場合は、相手の名前と支払う金額を申請書に書く決まりがあり、書かなければ虚偽の申請として扱われます。東京都内の美容室には都の別の補助金もあり、美容室のインバウンド集客の記事で触れています。
よくある質問
Q. パソコンやタブレットは買えますか
パソコンや事務用のプリンター、車両のように、ほかの用途にも使えるものは対象外です。販路を広げる取り組みのためだけに使う機械装置であれば、機械装置等費として認められる場合があります。
Q. ホームページの作り直しだけで申請できますか
できません。ウェブサイト関連費だけでの申請は認められておらず、ほかの経費と一緒に申請する必要があります。ウェブサイト関連費として申請できる補助金の額も、30万円までです。
Q. 申請書を業者に書いてもらってもいいですか
公募要領では、事業者が自ら検討した計画であることが求められています。第三者の支援を受けた場合は、相手と支払う金額を申請書に書く必要があり、書かなければ虚偽として不採択や取消の対象になります。申請書類の作成にかかる費用も、補助の対象外です。
Q. 今年のうちに始めたいことにも使えますか
使えません。第20回は申請の締切が2026年12月15日で、採択の発表は2027年3月ごろの予定です。交付決定より前に発注したものは対象外なので、使えるのは2027年の春以降に始めることになります。
まとめ
持続化補助金の使い道は、使える経費の一覧からではなく、来年どんなお客様に何を売るかから決めると、計画に筋が通ります。第20回は、事業支援計画書の依頼が12月4日、申請が12月15日の17時までです。
ご相談を受けていて多いのは、やりたいことが3つも4つもあって、どれを申請に入れるか決められないという状態です。チラシもホームページも看板も、それぞれに理由があります。売上の数字とお客様の顔ぶれを見ながら、来年いちばん効きそうなものを一緒に選ぶところまでは、私たちもお手伝いできます。計画書を書くのはご自身ですが、その前の整理が済んでいれば、ずっと書きやすくなります。お話を聞いて、今回は補助金を使わずに進めたほうがいいと考えれば、そうお伝えします。
何に使うかを整理するところからでしたら、無料診断からご相談ください。創業や資金まわりの支援は創業・資金支援のページにまとめています。
この記事の監修者
出典
- 小規模事業者持続化補助金事務局「小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回公募 公募要領(第8版)」(2026年7月、2026年9月29日取得)
- 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(商工会地区)(2026年9月29日取得)
- 商工会議所地区 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>(2026年9月29日取得)
- 写真:Studio Stock



